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術前化学療法の効果の実例

以前は、皮膚を超えて進行してしまった患者さんには、乳房切除手術が行われていました。
しかし、抗がん剤の進歩が著しい現在では、術前に抗がん剤を投与することにより、このような患者さんにも温存手術が受けられることが可能となりました。

写真1

この患者さんは、数ヶ月前から乳房のしこりに気がつかれていましたが、“がんではないだろう”と放置していました。人間とは弱いもので、自分だけは大丈夫という根拠のない確信に陥ってしまうものなのです。しかし、しこりは序々に増大してきました。問題は、このような状態になっても痛みは出ないので、受診を急がないことです。さらに、しこりの上の皮膚からとび出して、ジクジクするようになりました。ここで、ついに意を決してわたしのところに受診されました。しこりの大きさは5cmを超え、腋の下のリンパ節にもいくつか腫れが見られました。

写真2

この患者さんは充分な説明を受けた後に、先に抗がん剤の治療をおこなう方法を選ばれました。6ヶ月間、最初の3ヶ月間は3週間に1回、次の3ヶ月は毎週の抗がん剤投与を外来通院で行いました。副作用として脱毛が起こったため、かつらを使用していただきました。写真は抗がん剤投与終了後のものですが、しこりの部分は半分以下に小さくなり、リンパ節もまったく触れなくなっていました。皮膚の発赤は薄くなり、瘢痕化と呼ばれる硬くちぢこまった状態になっているのがわかります。

写真3

手術後翌日の状態です。皮膚の部分はとらなければなりませんので、傷は大きくなりましたが、乳房の形は良好に維持できています。リンパ節は超音波やMRIでも認められず、生検として3つの切除のみですみました。皮膚は埋没縫合という方法ですから抜糸はいらず、水をはじくフィルムで密封してしまうので消毒に通う必要もありません。

写真4

術後3ヶ月の状態で、放射線も終了しています。顕微鏡の検査では癌の部分に生きているがん細胞は見られず、リンパ節の転移もなくなっていました。術後は、放射線とホルモン療法にて経過をみていますがきわめて順調に経過しています。術前の抗がん剤投与は、皮膚を超えた乳がんでさえこんなに効果があるのですから、普通のがんは消えてしまうこともけっこうあるのです。

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